天才羽生の頭脳を探る。脳画像から心を読み取る。その他、脳科学関係
2009-07-11


ASAHIネット([URL]のjouwa/salonからホットコーナー([URL] )に転載したものから。
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 いま(2009/07/11 20:00)、NHK総合の「追跡! A to Z」という番組で、脳の
中を追跡しています。

[URL]
NHK 追跡! A to Z
の「脳の秘密 未来はどう変わる?」
という回です。

 最初に出てきたのは、将棋の天才、羽生名人。
 理化学研究所。田中博士といってましたが、以前に
[URL]
将棋脳の解明へ1歩
で紹介した
[URL]
理化学研究所 脳科学総合研究センター 創発知能ダイナミクス研究チーム

[URL]
将棋を用いた脳研究:脳研究協力棋士 募集
の世界ですね。

 詰め将棋の局面を1秒毎にみせて、手を考えさせ、そのとき脳のどこが活性
化しているか調べていました。
 前頭前野が活性化するのはアマチュアでも同じだったけど、羽生名人や他の
プロは、脳のもっと深いところ、大脳基底核尾状核が活性化していました。こ
れは、行動や思考の習慣化を司っているところだそうです。
 体に染み込ませる大切さ、持続することの大切さがわかるそうです。
 ずっと書いてきた脳と身体性の話ですね。上の検索窓で「脳 身体性」で検
索してください。
 まあ、でも、プロのレベルになるには、毎日3時間、集中して訓練する必要
があるそうですが。将棋に限らず、普通、どういうジャンルでもその程度の努
力は続けないと一人前にはなりませんよね。
 他のプロの平均正解率が68%なのに、羽生名人は82%というのがすごい。1秒
で答を出さないといけない過酷なテストなので、羽生名人の瞳孔が開いてまし
た。すごく集中している証拠だそうです。
 羽生名人と他のプロとの違いは、羽生名人は、脳のもっともっと深いところ、
嗅周皮質や、もっともっともっと深い網様体も活性化しているそうです。
 嗅周皮質は記憶を司る海馬のそばにあって、記憶に関係あるそうですし、嗅
周皮質や網様体は、脳全体のネットワークを司る部分だそうです。

 次は、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)の神谷之康氏の研究で、彼は世界
で初めて脳画像から心を読み取ることに成功したといって、紹介されていまし
た。
 その次は、ハーバード大学での心の傷を読み取る研究。子供のころに虐待を
受けた人を募集していました。そういう人たちは、脳のある部分が萎縮してい
るんだそうです。たとえば、いつもひどい言葉を投げつけられていると、聴覚
に関する部分が小さくなっていくんだそうです。
 オーストラリアの脳科学を使ったコマーシャルもやってましたね。これ、
[URL]
記憶、脳科学や認知科学方面の本
などで、何度か話題にした、ニューロ・マーケティングの話ですね。
[URL]
下條信輔著「サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)」
で紹介した
[URL]
サブリミナル・インパクト―情動と潜在認知の現代 (ちくま新書)
下條 信輔 (著)
もお薦め。この本に関する他の書き込みは、上の検索窓で「サブリミナル・イ
ンパクト」で検索して下さい。

 最後は、脳科学の悪用の懸念についても、追跡していました。心を読んだり、
脳画像からその人の優劣や犯罪性まで知ることができるようになってくる時代。
果たして、人類は耐えられるのか。

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