ASAHIネット(
[URL]のjouwa/salonからホットコーナー(
[URL] )に転載したものから。
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日本人の習慣として販売物は「売る物」だという概念があります。これは長い
間の習慣のようなもので、サービスという概念が無かった。日本では代わりに
「もてなし」とか「配慮」という概念があって、それとサービスという概念の一
部が重なった結果、サービスが「オマケ」やら「値引き」というものに置き換え
られてしまった。結果、サービスというのは金を払って受けるものという思想が
無くなり、そうした無形のものに金を払うという概念が生まれなかった。結果と
してサービス業は尊大な馬鹿消費者がクレーマーとなって登場する場所となって
しまった。相手を格下と思いこみ、礼儀も何もない無礼者が闊歩する世界となっ
た。
サービスとは新作の仏像に施す開眼法要のようなもので、彫ったばかりの仏像
は単なる物だけど、それに魂を入れる行為に極めて近い物だ、ということを理解
していない人がいかに多いことか。
これはハードウェアとソフトウェアとの関係にも言えて、日本産業構造の中で
はソフトウェアの占める位置が未だに低空飛行なのと同様だろうと思う。機械が
あってもその機械を効果的に動かす手順が分からないと単なる場所ふさぎでしか
ないわけですよ。
実は一般の人には、まだまだハードウェアとソフトウェアの関係が分かってい
ない人が多いのも事実で、例えばワープロと言えばパソコンに馴染んでいる人は
ソフトウェアだと理解するけれども、パソコンとは無縁な人の中にはいまだに
ワープロ専用機を思い浮かべる人も多いわけです。
パソコンは中に入れるソフトウェアによって神棚になったり仏壇になったり十
字架になったりモスクになったりする「入れ物」だという事で、魂はソフトウェ
アなのだ、という事が理解され、そのソフトウェアこそが重要なのだと理解され
ないと、そしてそれが実はサービス業の本質なのだ、という事が理解されない限
り、なかなか世の中うまく行かないだろうなぁ、というのが最近の実感だったり
するのでした。
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たま@無精庵
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標題: Re: 仏作って魂入れず
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[URL]
モノづくりとはちがうサービス産業の技術 −数学が産業の中心になる−
の関連ですね。
おれはソフト屋だから、逆にハードのほうが重要に感じることが多いですね。
コンピュータやインターネットでいえば、ソフトがこれだけ花開いたのも、
ハードの驚異的な進化という土台があってのことだし。
仏に魂を入れるのがソフトだしても、魂を入れようがないだめだめな仏(ハ
ード)もあるわけで。^^;
ほんとは、両方、重要でそのバランスなんだけど、どっちかしか強調されな
いもんね。それ、おかしいよね。
だから、ハードとソフトの分離論には、いつも懐疑的。やはり、人間が物理
的な存在でもある以上、物理的な実体をもつ強さ、ハードとソフトの一体設計
・一体開発の力は、すごく重要だと感じるんですよ。
特に身に付けるもの、身体で使う道具類は、使いやすい形、フォルムの力っ
てあるし、それをデザインする力も広義のソフトウェアだといわれれば、そう
なんだけど、いいフォルムをもった道具なら、物質というハードとデザインと
いうソフトの一体開発ということになりますよね。
[URL]
アップルを創った怪物―もうひとりの創業者、ウォズニアック自伝その2
に書いたように、iPodの成功は、まさに一体設計、一体開発の勝利でしょ。
ついでにいえば、iPod TouchやiPhoneの成功は、指先で操作して斬新な体験
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