野崎昭弘著「離散数学「数え上げ理論」 (ブルーバックス)」
2008-12-14


たので、後に大きな発展をする。それで、中国は、ヨーロッパに地位を奪われ
てしまったと。
 後述の話とからめれば、基本に戻らず、目先の利益を求めて、安直ビジネス
本、成功本、自己啓発本を読みあさって、結局だめになるのと同じですね。

 ところで、パスカルの三角形は、京都の道順を調べる例題から出てくる。知
らないとびっくりする展開ですね。
 なぜ、京都の道順からパスカルの三脚気、もとい、三角形が出てくるか、ピ
ンと来た人は、本書は不要。自分の楽しみ、確認のために読むのはいいだろう
けど。
 ということで、コンノケンイチ風にいうなら、
「パスカルは、京都に住んでいた」\(^O^)/
 ばかー。そんな重要な人類史の秘密を、こんなところに書くな。いくら情報
省の人間が書いたこととはいえ、バチカンからお叱りを受けるぞ。
 じゃ、これ、バチカンの「ファティマの予言」にならって、「情報省の予言」
として、「地球の秘密冷蔵庫」に入れておきますね。賞味期限はいつにしてお
きましょうか?
 いつでもいいよ。どうせ、売れ残ったら、シール偽装して張り替えちゃうか
ら。\(^O^)/

 本書のあとがきから引用。
--- ここから ---
 最近の世の中で心配なのは、(略)たとえば試験のとき、じっくり考えて答を
出すより、答を覚えてしまったほうがラクだとか、政治や経済の問題でも、む
ずかしく考えずに気分で決めてしまったほうがラクだ、と思う人が多いような
気がする。
 しかし日本が今、経済的な繁栄を享受しているのは、ラクなどまるでできな
かった世代の、たいへんな労力のおかげなのである。
(略: 中村注:ここで、「考える」ことを止めたときの悲劇に言及)
 怪しげな新興宗教や悪徳セールスに手もなくひっかかる人たちを見ていると、
もう少し「考える」習慣を広めたほうがよさそうである。それには、「考える」
ことの楽しさを伝え、「わかる」ことのうれしさを体験してもらうのが一番で
あろう。――「数え上げ理論」の解説を書きながら、私がいつも考えていたの
は、そのようなことであった。
--- ここまで ---

 この本と対照的な世界が、勝間和代、神田昌典などビジネス本のカリスマと
されている連中の書く安直ビジネス本、成功本、自己啓発本。おれにいわせれ
ば、この手の本やセミナーは、怪しげな新興宗教や悪徳セールスと五十歩百歩。
 安直ビジネス本、成功本、自己啓発本が売れるメカニズムの一端は、
[URL]
数学的思考法は、そんなお勉強じゃ身に付かないってば
などで、書いた。あの手の本は、安直ダイエットと同じ。
 フェルミ推定で地頭力をつけろうという本が今年売れたけど、今年の流行ダ
イエットでいえば、バナナが店頭からなくなった「朝バナナダイエット」と同
じ。
 しかも、フェルミ推定が、グーグルやマイクロソフトの入社試験に出るとい
うので、流行っちゃう。知のかけらもない、このばかばかしさね。「考える」
ことを放棄した奴が、それだけ多いのか。
 基礎的な数学力がないのに、フェルミ推定なんてつまみ食いしても、砂上の
楼閣であることに気づかないというのが、すごい。女はダイエット、男は安直
ビジネス本に引っかかる。何度も何度も引っかかる。おれおれ詐欺、振り込み
詐欺にそっくりね。上記で、書いたように、
「身に付いたと思うのは、錯覚。シャブを打って幻覚をみているのと同じ」な
のにね。
 あの手の安直ビジネス本は、100冊読んでも1000冊読んでもだめ。基礎に戻
るしかないのに、その勇気もなく、その労力を惜しむ。惜しんで結局、金と時
間と労力と無駄にする。
 安直ビジネス本、成功本、自己啓発本、ああいうのを読むのを止めるのから
始めないとね。

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