ガベージコレクションのアルゴリズムと実装。洋書ガベコレ本の話題も
2010-03-18


ASAHIネット([URL] )のjouwa/salonからホットコーナー([URL] )に転載したものから。
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 菊池先生から教わってピアノの楽譜を探しに、新宿ジュンク堂に行ったら、
ガベージコレクションの本があった。しかも、著者は日本人二人。そして、
「Lispの神様 竹内郁雄監修」などというポップとともにエスカレータ横に平
積みになってました。
 日本初の日本人によるガベージコレクション(GC)本ですね。
 世界でも2冊目。
 すなわち、オリンピック&パラリンピックなら銀メダル。\(^O^)/
 ガベコレマニアはもちろん、メモリ管理を知りたい人は役立つ本。
 おれは、ご祝儀で買う。サイン会とかやってくれないかな。

[URL]
ガベージコレクションのアルゴリズムと実装 (単行本)
中村 成洋 (著), 相川 光 (著), 竹内 郁雄 (監修)

 以下、話の都合上、これを和書ガベコレ本と呼ぶ。
 ピアノの楽譜をあれこれ買って、この大部の本を買って帰る元気はなかった
ので、ざっと立ち読みしただけですが、前半は、各種GCのアルゴリズム。後半
は、実際にいろんな言語でどうGCが実装されているかの解説でした。

 前半は、Lisperなら、大体、知ってる内容と思います。
 昔、電脳騒乱節あたりで書いた記憶があるが、Lisperって面白いよね。
 Lisp自体は、GCがあるから、メモリ管理を気にしなくていいが、Lisperは、
みんな、Lisp処理系の実装経験があるから、GCの実装経験もある。そのせいで、
メモリ管理については、そこらのC/C++のプログラマより、はるかにきちんと
知ってる。Java, Perl, Python, Ruby, PHPなどの言語を使っているだけのプ
ログラマより、はるかによく知っている。
 Lispというメモリ管理を気にしなくていい環境でプログラムできるのに、メ
モリ管理をよく知っているのが、面白いでしょ。
 よし、おれがいま、これを「Lisperのパラドックス」と命名した。\(^O^)/

 秀和システムにある目次などは、
[URL]
ガベージコレクションのアルゴリズムと実装
 「第10章 DalvikVMのGC」「第12章 V8のGC」のオブジェクト管理とGCが面白
そうだな。
 V8は、JavaScriptのV8エンジンのこと。以前、紹介した気がしたので、検索
したらあった。もう1年半も前のことなんだね。
[URL]
Google Chrome関係
にある
[URL]
V8 JavaScript Engine

 著者の一人、中村成洋さんのブログにも出ていますね。
[URL]
「ガベージコレクションのアルゴリズムと実装」という本を書きました。

 GC本については、洋書では、以前、
[URL]
スクリプトエンジン、Virtual Machines(仮想マシン、VM)、ガベージコレクシ
ョン(GC)
[URL]
Virtual Machines(仮想マシン、VM)、仮想化本、ガベージコレクション(GC)本
[URL]
Lisp, Prologネタ
で紹介した
[URL]
Garbage Collection: Algorithms for Automatic Dynamic Memory Management
(ハードカバー)
Richard Jones (著), Rafael Lins (著)
がある。
 これを、洋書ガベコレ本と呼ぶ。
 洋書でも、GCのみに話題を絞った本は、これだけだと思う。
 和書ガベコレ本の序文を、竹内郁雄さんが書いていた。そこでは、半世紀に
わたる歴史があるのに、GCのことだけ書いた本がない。1996年に洋書で1冊出

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