浅田稔「ロボット未来世紀」
2008-12-30


ASAHIネット([URL]のjouwa/salonからホットコーナー([URL] )に転載したものから。
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[URL]
ロボット未来世紀、脳、身体性、知能ロボット、インテリジェンス・ダイナミ
クス
で紹介した「ロボット未来世紀」。テキスト買ってきました。
 表紙をめくると、いきなり、CB2というヒューマノイドロボットの写真があ
って、これがインパクトあるわ。
 赤ちゃんの脳の発達を調べるロボットだそうですが、肌の色が青白いことも
あって、なんか、不気味。^^;
 カラーページの最後には、人間の女性そっくりのアンドロイド。これもイン
パクトあるわ。

 関連した話を書くと、
[URL]
日経サイエンス 2009年 02月号 [雑誌] (雑誌)
の冒頭NEWS SCAN欄に、「「不気味の谷」の奥深く」という記事があります。
 なまじ、ロボットが人間に似てくると、親しみが減って、人間は不気味さを
感じるようになるんだって。ほんとにそっくりになるとまた親しみを感じるん
だけど、その前に深い谷ができる。これが「不気味の谷」。
 1970年に森政弘東京工業大学名誉教授が提唱した考えだそうです。これが再
検討されているそうです。
 あ、要約しなくてもよかった。ちゃんと記事が読める。
[URL]
「不気味の谷」の奥深く
をどうぞ。
 これだけだと図がないし、欄外にある、「ポーラー・エクスプレス」という
CGアニメ映画が薄気味悪いと批判された話もないですね。
 このアニメを作ったソニー・ピクチャーズ・イメージワークスでは、今後、
サッカード(個視微動)という眼球の微小高速運動を入れるそうです。
 サッカードの話は、どこかほかでも読んだ。なんだっけ?
 ピクサーは、キャラクターデザインにあたっては、森先生の助言からさほど
遠くない姿勢をとっていて、リアルに描くことを追求しすぎてはいけないそう
です。
 おれ、これで思い出した。
 大失敗して、スクウェアの経営までおかしくしたCGアニメ映画「ファイナル
ファンタジー」。同時期に観たディズニーとピクサーの「モンスターズ・イン
ク」。これは、対照的だと思ったの。
 ファイナルファンタジーは、リアルさを追求したけど、映画的リアルさの追
求ではない。リアルさが映画から浮いている。一方、モンスターズ・インクは、
映画の中でのリアルさ、映画的リアルさを追求していて、そのリアルさが映画
としてしっくり溶け込んでいる。
 この差はでかいなあと。映画というものを本当に深く理解しているかどうか
の差が、残酷なほど、もろに出たなと思いました。
 これも、書くといって書いてない
[URL]
勝間和代・小飼弾対談
の批判につながる話。
 勝間さん、弾さんは文学的読解力がないでしょ。データ処理はできても、深
いところが読めないし、だから知的生産ができない。それと同じで、スクウェ
アも映画的読解力がなくて、芸術的表現ができなかったということなんです。

 「ロボット未来世紀」に戻ると、これ、ロボットを巡るいろんなこと、ロボ
ット研究からみえてきた人間のいろんなこと。心とは、知能とは、身体とは、
社会とは、その他、もろもろを、平易にうまく解説してありますね。
 ロボットだけじゃなくて、AI(人工知能)の入門としてもいい。身体が脳を作
るという身体性の話もある。
 互いを観察することで、明示的ではない、暗黙のコミュニケーションが成立
して、ロボットが協調行動を取るようになる。そういう一種の社会性を獲得し

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