ASAHIネット(
[URL]のjouwa/salonからホットコーナー(
[URL] )に転載したものから。
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[URL]
サブプライムローン問題、モノ作り脱却論、金融立国論その4
の続き。
週刊ダイヤモンド2008/03/22号、ノーベル経済学賞受賞の経済学者ジョセフ・
E・スティグリッツ「スティグリッツ教授の真説・グローバル経済」は、「ダ
ボス会議に見たアメリカの不幸を喜ぶ途上国の姿」。
FRBが異例なことに日曜日に緊急利下げ、大手証券会社が破綻しそうなど、
サブプライムローン問題の激震がますますひどくなっていますが、スティグリ
ッツ氏が、ダボス会議の様子を書いている。
さんざん途上国を食い散らかしたり、説教してきた欧米の金融機関関係者が
面目を失っている様が描かれている。
スティグリッツ氏が主張した、中央銀行も失敗したし、FRBのグリーンスパ
ン前議長が住宅バブルを煽ったことで、問題が深刻化したという話が、支持さ
れたそうだ。
前回述べた野口悠紀雄との対比で違いがくっきり出たのがここから。
--- ここから ---
中央銀行関係者の一人が「この問題は誰にも予測できなかったはずだ」と訴
えたが、それに心を動かされた聴衆はほとんどいなかった。それはおそらく、
そこに出席していた何人かの人間が、私と同じく、問題が差し迫っているとは
っきり警告していたからだろう。我々が間違っていたのは、銀行の融資慣行が
どれほどお粗末で、銀行が実際にはどれほど不透明であるかという点と、銀行
のリスク管理システムがどれほど不十分かという点を認識していなかったこと
だけだった。
--- ここまで ---
金融万歳だと危ないと警告しつつ、銀行のでたらめを見抜けなかったことへ
の反省があるよね。野口氏とは全然違うね。学者としての実績の差はしょうが
ないけど、人間としての考え方も差が大きいね。
日本の銀行のCEOだったら、行員、国民に謝罪し、自分の年金とボーナスを
辞退して、企業の失敗のせいで損害を受けた人びとにそれのカネが回るように
していただろう。それに加えて辞任していただろう
は、そこまで日本の銀行のCEOはするかなと思ったけれど、欧米の問題金融機
関の幹部たちは、この期におよんで、どれだけ巨額のボーナスを奪って逃げる
かの話になってるらしいですね。
なお、週刊ダイヤモンドのこの連載、
[URL]
Re: 毒ギョーザ問題
でも紹介したけど、これまでの分は、
[URL]
ジョセフ・E・スティグリッツ著, 藪下史郎監修, 藤井清美訳「スティグリッ
ツ教授の経済教室―グローバル経済のトピックスを読み解く」
としてまとまっています。
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