ASAHIネット(
[URL]のjouwa/salonからホットコーナー(
[URL] )に転載したものから。
---
[URL]
福岡伸一著「プリオン説はほんとうか?―タンパク質病原体説をめぐるミステ
リー」
で、2006年度第37回講談社出版文化賞科学出版賞受賞を受賞した福岡伸一のい
ま話題の書が、
[URL]
福岡伸一著「生物と無生物のあいだ」
これは、1ヵ月ほど前に読んだけど、すごく売れていますね。そこであわて
て感想。
福岡伸一は、文才があってほんとうに文章がうまい。それは、本書のエピロ
ーグにある、少年の日を綴った部分を読むだけでわかる。鮮やかな短編小説と
いってもいい。
[URL]
買ってきた本
で書いたように、以前から、人間性(ヒューマニティ)、生命とは、意識、知性
などには興味があったが、最近、自分の中でますます訳がわかんなくなってい
る。^^;
それで本書を読んでみたが、この生命観、生物観は、おれの中では、もうど
うでもいいのね。
福岡さんの考えは、簡単にいえば、常に変化している中で、動的な平衡状態
にあるのが生物だというものだけど、おれには、これは常識的日常的な時間・
空間スケールで考えるからそう思うだけだろうと思える。
こういうフツーの感覚は、おれはもう飽きたということ。\(^O^)/
いや、こういうフツーに考える生命は、それだけでもものすごいものなんで
す。これは、ほんと。
よく地球に生命なんかできたなと思うし、なぜ、おれなんか生まれて来たん
だろう。生まれてきてすみません、太宰治\(^O^)/みたいな感覚と、銀河系
ができて太陽系ができて地球ができて生命ができて、人類まで進化し、おれが
生まれたなんて、どう考えても奇跡ととしか思えないから、生きてるだけでこ
んな大儲けのことはない、自殺なんか考えちゃ、お天道様、宇宙様に申し訳な
いというのは、しっかりある。
しっかり、あるんだけど、もっと拡張された生命観がほしいのね。\(^O^)/
「買ってきた本」で書いたように、宇宙規模の時間・空間スケールで考える
と銀河や宇宙も生物としか思えないし、素粒子レベルの時間・空間スケールで
考えれば、無生物のようにみえる岩石だって、生物にしかみえないんだよね。^^;
こいつらも常に変化し、動的平衡状態を保ちつつ、局所的エントロピーを減
少させて秩序を作り、なんか、進化しているみたいだもん。これ、生命でしょ
う?
自己複製はやってるかといえば、きっと銀河も岩石もやってるはず。\(^O^)/
だから、生命以外の何者でもない。\(^O^)/
結局、地球上の生命、生物の自己複製はゲノムという情報の複製なんだから、
銀河も岩石もウィニー使って自分の情報を複製しまくってると思うね。\(^O^)/
そういう意味では、おれにとって拡張された生命観を得たかといえば得てな
い。
本書で得たところは、何より福岡さんの文才。そして、野口英世ってそんな
悪い奴だったのかということ。結婚詐欺みたいこともやってたのか。渡辺淳一
がその辺を小説にしたこともあったのか。業績も実はアメリカの学会を牛耳っ
ていたボスの後ろ盾がなくなると見向きもされないようなものだったのか。な
どなど。
DNAの二重螺旋について先駆的研究をしていたオズワルド・エイブリーに非
常に光をあてているところも印象的でしたね。
ところで、「プリオン説はほんとうか?」の、amazonの素人評の中に、
「あまり話題にもなりませんが、まだBSEが今ほど注目されていなかった頃、
コメントをする