従量税と従量税率
2006-02-26


ASAHIネット([URL]のjouwa/salonからホットコーナー([URL] )に転載したものから。
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 ぼくが話題にした、スティグリッツ入門経済学第2版の200ページの問題。
 なお、問題の部分は、スティグリッツが書いた部分ではなく、日本語版にだ
けある部分。これは、ぼくは、藪下史郎が書いたとほぼ確信している部分(こ
れは最後におまけで説明します)です。

[URL]
に、
--- ここから ---
ざっと、コメントみたけど、みんなばらばらですね。
おれはどれを信じればいいのか、かえってわからなくなりましたね(笑)。
そんなばらばらなことを思わせる教科書の書き方って、おかしくないですか?
--- ここまで ---
と書いたことの説明。

 スティグリッツ入門経済学第2版で、従量税率という言葉が出てくるのは、
索引によればこの部分だけ。そして、従量税率の定義を書いていない。これは
教科書としては不適切。だから、混乱する。
 ちなみに、「率」がついてない従量税という言葉の定義は、2ページ前の198
ページにある。
--- ここから ---
前者の代表例は取引数量1単位当りについて一定の税額を定める従量税、後者
の代表例は取引価値額に対する税額の割合を一定比率に定める従価税である。
--- ここまで ---

 この書き方も量を定義しているかのような印象を与えかねないので、よくな
い。
 書くなら、「取引数量1単位当りについて一定の税額を定める方式である従
量税」などと、量でないことをはっきりさせたほうがいい。
 kmoriさんは、従量税あるいは従量税額と書くべきところを従量税率と書い
たのがおかしいので、tを従量税あるいは従量税額とすればいい、そうすれば、
単位の次元の問題もなくなるからという意見。
 ここからは、kmoriさんは従量税という言葉は、量を定義した言葉だと思っ
ている、あるいはそういう書き方をこの本がしていると思っていることがうか
がえる。
 従量税が量なら、定義から、税額/取引数量単位という次元をもっていて、
従量税率という言葉は、その率なんだから、さらに取引数量単位で割って、取
引数量単位の-2乗の次元があるなどと思っちゃうものね。
 ぼくは、従量税率という言葉は無次元の量ならそのままでもいい。率なら従
価税になるんじゃないかという意見には、取引数量1単位あたりの税の割合と
定義してあれば通用すると思うけれど、だめ?
 で、式を
 Pc = Pr + t から、Pc = Pr * (1 + t)

 Pc - Pr = Pr * t
にするのが、文章的にも数学的にも(数学というより算数ですけど)、単位の次
元の問題もなく、一番はっきりしてわかりやすいと思っていました。
 ところが、捨て台詞を吐いた奴と同一人物?が残したリンク、
[URL]
をみると、経済学の常識は、そうじゃないんですね。

従量税率=(1単位の数量に対する税額)/(1単位の数量)

と書いてある。
 えっ、でしょう?
 こんな単位をもった量なのに、定義なしで教科書を書いていたのかと思いま
した。
 経済学では、こういう書き方ありなの?
 理系の人間にとっては驚天動地だと思うけど。
 たとえば、物理学や天文学だと、新書の入門書レベルでも、こういう書き方
はしないと思うし、それは、そういう教育をコミュニティがしてきたからです
よね。
 数学が発展途上だから、多くを自然言語に頼るしかないことを思うと、この
やり方は、ずいぶんと杜撰に思いますね。
 なんだか、科学以前、文学以前の世界に思えるんですけど。\(^O^)/
 これ↓
[URL]

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