「筒井康隆自作を語る#4」、読者を大切にする筒井さんの真髄、原点をみた思いがした「パプリカ」のころ
2017-12-30


ASAHIネット([URL] )のtti/salon(筒井康隆会議室)から。
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 「筒井康隆自作を語る#4」が、2017/11/16でしたから、もう1ヶ月半も経ってますが、なかなか書けなくてすみません。

 「自分には代表作がない」には、聴衆みんな、「ちょっと待て!」と、心の中で突っ込んだと思います。聞き手の日下さんも、「ちょっとちょっと、いやいや、それは」と苦笑していましたね。
 筒井さんは、多様なジャンルの傑作を書いているので、代表作にしたいものがありすぎるんですよね。
「このままでは、代表作が「時をかける少女」になってしまう。まあ、それでもいいですけど」
には、会場、大爆笑。
 「モナドの領域」は、「最後の小説」だという触れこみだったが、以前も「最後の小説」というキャッチコピーを使っていたと、インタビュー記事を証拠として画面に出された時の、筒井さんの切り返しが素晴らしかった。
「そうか。あと、2,3回は使えるな」
 会場、大爆笑。

 個人的には、「歌と饒舌の戦記」や「パプリカ」で微力ながらお手伝いできたころを思い出しました。
 特に「パプリカ」のとき、連載雑誌「マリ・クレール」が、どどーんと送られてきたときはびっくりしました。手に取ったことのない、フルカラーのハイソな雑誌で、きれいなお姉さんがいっぱい。\(^O^)/
 女性誌に連載するから、「パプリカ」は、ヒロインなのだろうと思いました。
 コンピュータ関係でおかしなところはなかったけれど、それが何かは思い出せませんが、このままでは、話の辻褄が合わなくなるのではないかと思ったことがあって、筒井さんにお伝えしたら、丁寧なお礼のお手紙が送られてきました。
 天下の文豪、世界の大作家、筒井康隆が、一介の私に、丁寧なお礼。
 さすがは筒井さん。この姿勢が、筒井康隆の面目が躍如して、ニクコケをポケなさいだ。
 内容は正確には覚えてないけれど、
「自分は、いい読者をもって幸せ。自分ほど、いい読者に恵まれた作家は、いない」
などということが、書かれていた記憶があります。

 もう、さっそく、筒井さんの許可も得ず、筒井康隆、曰く、ということにして、
「自分は、いい読者をもって幸せです。自分ほど、いい読者に恵まれた作家はいません。Copyright (c) 筒井康隆」\(^O^)/
というのを、ブログで使ってしまいました。すみません。

 「朝のガスパール」のときに、このASAHIネットの会議室に集まった、そしていまでも交流が続いている、いい読者たちのことをおっしゃっているんだろうと思いました。
 読者を大切にする筒井さんの真髄、原点をみた思いがした「パプリカ」のころでした。

 「筒井康隆自作を語る#4」の終了後、
「いままで、飲みに行っていないから、今日は行こう! おれのおごりだ。レッツゴー!」
で、楽屋に集まった面々を飲みに連れて行ってくださって、本当にありがとうございます。
 ああ、やっぱり、昔から変わらず、読者を大切にする筒井さんだと思いました。
 久々に飲み会に参加でき、みなさんとも、筒井さんとも、交流を深めることができて、大変、うれしく、また、楽しかった。
 トークライブのとき、私の横に座っていた女性二人が、何かヒソヒソ話をしたり、メモを取っていたりして、熱心な女性読者なんだなあと思っていましたが、来年の世田谷文学館での筒井康隆展のために来られていた、世田谷文学館のキュレーターの方々だったんですね。
 飲み会の最後に名刺を頂戴して、初めて知りました。
 来年、楽しみだなあ。

■関連書など
[URL]
パプリカ (新潮文庫) 文庫 〓 2002/10/30
筒井 康隆 (著)

[URL]
パプリカ (新潮文庫) Kindle版
筒井 康隆 (著)


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