ASAHIネット(
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ネタバレ注意。
映画「メッセージ」を観ました。
これ、すごいわ。
ファーストコンタクトSFであり, 言語SFであり, 前衛書道SFであり, タイムトラベルSFであり, 哲学SFだ。
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映画『メッセージ』 | オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ
異星人の宇宙船が、お菓子の「ばかうけ」そっくりで、監督もそれをネタにし、「バケウケ」の栗山米菓は、コラボポスターまで作っている。
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「メッセージ」×ばかうけ“公式”コラボポスター完成!販売会社社長「運命感じた」
2017年5月22日 19:00
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【ネタバレ注意!!】映画『メッセージ』は原作小説の「感動」を伝え切れていない:『WIRED』US版の考察
2017.05.20 SAT 12:00
原作は、テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」。
未読だが、短編が、こんな壮大な映画になるんだから、監督や脚本の力ってすごいね。
映画「マイノリティ・リポート」も、フィリップ・K・ディックの短編小説があんな映画になったんだもんね。
さて、映画「メッセージ(原題 Arraival)」。
ここから、ネタバレします。
異星人(ヘプタポッド)はタコ型。ヘプタボッドの足は7本。タコとイカの間を取って、9本かと思ったら、さにあらず。
大きさも、地球人と比べると、でかい。上のほうは、見えない。見えるのは足だけ。その足は、上のほうで、巨大な象の鼻が7本束ねてあって、下だけ見えている感じ。ほかのイメージでいうと、縄文杉など屋久杉のでかい奴。ああいう巨大杉の下のほうは、タコの足みたいになっているが、ああいう感じ。
タコという選択は素晴らしい。タコは知能が高いから。そのおかげだろう。ヘプタポッドは、重力を自由に操っている。
おれたち、おとめ座銀河団の連中と同等以上だな。\(^O^)/
おとめ座銀河団の小学校で、ブラックホール工学の単位が取れず、追試を受けたお前が言うな。
そうですね。\(^O^)/
ファーストコンタクトSFの常として、コミュニケーションが問題。
筒井康隆作品には、言語の問題、コミュニケーション問題を扱った傑作がいくつもあるが、ファーストコンタクトものは、中でも、ほんとに面白い。たとえば「関節話法」。
「メッセージ」は、他のファーストコンタクト、異星人侵略もののように、殺し合いや戦争をするわけでもなく、筒井作品のような爆笑のドタバタでもなく、あくまで静かに静かに物語が進行する。
鑑賞後、しんしんと考えてしまう哲学SF。
タコという選択が特に素晴らしいのは、ヘプタボッドが、手というか足というか触手というか、その先から墨を吐いて文字を書くこと。
その文字が、前衛水墨画というか、前衛書道というか、とにかくかっこいい。円が基本なのもいい。墨の世界と相まって、東洋思想が表現されているように思える。
しかも、文字を解読していくと、時制がないことがわかる。、ヘプタボッドには、未来を知る能力があることがわかる。
そうか、それで、サッカーワールドカップの勝敗を当てるタコがいたんだ。\(^O^)/
[URL]パウル_(タコ)
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W杯の勝敗を的中し、世界を騒然とさせたタコのパウル君の秘密
映画の冒頭は、主人公の回想シーンから始まる。
と思ったら、後から、あれが回想シーンじゃないことがわかる。
過去ではなく、未来の記憶、過去の回想ではなく、未来を回想するシーン。
この辺が、一風変わったタイムトラベルSF仕立て。
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