映画「メッセージ」は、ファーストコンタクトSF, 言語SF, 前衛書道SF, タイムトラベルSF, 哲学SFだった\(^O^)/
2017-06-04


ASAHIネット([URL] )のjouwa/salonから。
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 ネタバレ注意。
 映画「メッセージ」を観ました。
 これ、すごいわ。
 ファーストコンタクトSFであり, 言語SFであり, 前衛書道SFであり, タイムトラベルSFであり, 哲学SFだ。

[URL]
映画『メッセージ』 | オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ

 異星人の宇宙船が、お菓子の「ばかうけ」そっくりで、監督もそれをネタにし、「バケウケ」の栗山米菓は、コラボポスターまで作っている。
[URL]
「メッセージ」×ばかうけ“公式”コラボポスター完成!販売会社社長「運命感じた」
2017年5月22日 19:00

[URL]
【ネタバレ注意!!】映画『メッセージ』は原作小説の「感動」を伝え切れていない:『WIRED』US版の考察
2017.05.20 SAT 12:00

 原作は、テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」。
 未読だが、短編が、こんな壮大な映画になるんだから、監督や脚本の力ってすごいね。
 映画「マイノリティ・リポート」も、フィリップ・K・ディックの短編小説があんな映画になったんだもんね。

 さて、映画「メッセージ(原題 Arraival)」。
 ここから、ネタバレします。

 異星人(ヘプタポッド)はタコ型。ヘプタボッドの足は7本。タコとイカの間を取って、9本かと思ったら、さにあらず。
 大きさも、地球人と比べると、でかい。上のほうは、見えない。見えるのは足だけ。その足は、上のほうで、巨大な象の鼻が7本束ねてあって、下だけ見えている感じ。ほかのイメージでいうと、縄文杉など屋久杉のでかい奴。ああいう巨大杉の下のほうは、タコの足みたいになっているが、ああいう感じ。

 タコという選択は素晴らしい。タコは知能が高いから。そのおかげだろう。ヘプタポッドは、重力を自由に操っている。
 おれたち、おとめ座銀河団の連中と同等以上だな。\(^O^)/
 おとめ座銀河団の小学校で、ブラックホール工学の単位が取れず、追試を受けたお前が言うな。
 そうですね。\(^O^)/

 ファーストコンタクトSFの常として、コミュニケーションが問題。
 筒井康隆作品には、言語の問題、コミュニケーション問題を扱った傑作がいくつもあるが、ファーストコンタクトものは、中でも、ほんとに面白い。たとえば「関節話法」。
 「メッセージ」は、他のファーストコンタクト、異星人侵略もののように、殺し合いや戦争をするわけでもなく、筒井作品のような爆笑のドタバタでもなく、あくまで静かに静かに物語が進行する。
 鑑賞後、しんしんと考えてしまう哲学SF。

 タコという選択が特に素晴らしいのは、ヘプタボッドが、手というか足というか触手というか、その先から墨を吐いて文字を書くこと。
 その文字が、前衛水墨画というか、前衛書道というか、とにかくかっこいい。円が基本なのもいい。墨の世界と相まって、東洋思想が表現されているように思える。
 しかも、文字を解読していくと、時制がないことがわかる。、ヘプタボッドには、未来を知る能力があることがわかる。
 そうか、それで、サッカーワールドカップの勝敗を当てるタコがいたんだ。\(^O^)/
[URL]パウル_(タコ)
[URL]
W杯の勝敗を的中し、世界を騒然とさせたタコのパウル君の秘密

 映画の冒頭は、主人公の回想シーンから始まる。
 と思ったら、後から、あれが回想シーンじゃないことがわかる。
 過去ではなく、未来の記憶、過去の回想ではなく、未来を回想するシーン。
 この辺が、一風変わったタイムトラベルSF仕立て。

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