ラグビー日本選手権準決勝。府中ダービーはサントリーの快勝。
2012-03-16


TOPマッチレポート特別編「日本選手権・準決勝」レビュー(サントリー 23-8
東芝)
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日本選手権・準決勝 マッチ&会見レポート(サントリー 23-8 東芝)

 エディー・ジョーンズ監督が、
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ジョージ・スミス選手は手に石鹸をつけていたのかな(笑)。トップリーグMV
Pの賞を返さなくてはいけませんね。
--- ここまで ---
と語っているのは、ジョージ・スミス選手が、滅多にないことですが、前半早
々から、2回もノックオンした(ボールを落とした)ことを指しています。
 東芝は、うまくジョージ・スミス選手を封じていました。
 そのせいもあって、サントリーは、華麗にバックスに展開するアタッキング
ラグビーはできませんでした。特に前半は、防戦一方でした。
 それでも、ワンチャンスでトライをとり、さらにPGで着実に差を広げて勝ち
きるあたりが、エディー・ジョーンズ監督になってからのサントリーの強さ。
 リーグ戦で、唯一の黒星を喫したのが東芝との試合でしたが、後半20分過ぎ
からサントリーはフィットネスが落ちるので、逆転できると思っていたと東芝
側からいわれたのが、エディー・ジョーンズ監督には、カチーンと来たらしく
て、しっかり準備したそうです。それで、後半20分を過ぎても、サントリーの
ディフェンスは乱れませんでしたね。
 東芝は、前半、連続攻撃の中でのサインプレーで、実に鮮やかなトライを決
めましたが、後半の攻撃は単調な力攻めになって、ああいう変化をつけた攻撃
ができず、サントリーのディフェンスが対応しやすくなってましたね。
 東芝は、帝京大との試合で、SHの吉田朋生選手がケガをして、この試合はス
タンド観戦だったのも痛かったでしょう。後半途中からのインパクトプレーヤ
ーとして、吉田朋生選手を投入して、彼のスピードとパス回しで、攻撃をテン
ポアップして、相手を粉砕するのが勝ちパターンでしたから。
 JSportsの中継では、解説の藤島大さんが、「アタッキングラグビーという
キャッチフレーズのラグビーができなくても、勝ってしまう。それが王者の強
さ、底力だ」と言ってました。まさにそういう試合でした。

 試合後のサントリーの畠山健介選手インタビューはよかったですね。途中、
声をつまらせるシーンもありました。
 畠山選手は、宮城県気仙沼の出身で、実家が津波で流されたそうです。
 ラグビーで獲得した数々のトロフィーやカップも流されて、残ったのは、日
本代表のユニフォームだけだったそうです。その後、流されていたトロフィー
やカップもいくつか見つけて届けてくれた人がいるそうですが、大変な被害に
遭ったのは間違いないですね。声を詰まらせたときは、この試合にかける思い
が、心の中で、一挙に去来したんでしょうね。
 JSportsの中継で話が出たと思うが、ぼくが大好きな東芝の大野均選手は、
サントリーのダニー・ロッソウ選手と、生年月日が同じ1978年5月6日。
 時は、1年前に大震災のあった3月11日。しかも、相手は、同じ府中市に本
拠を置くサントリー。
 今シーズンは、ラグビーワールドカップがあった関係で、日程が1ヵ月くら
い後ろにずれているので、3月11日に公式戦、それも日本選手権という大舞台
の試合があるわけです。
 大野選手は、そんなこんなの因縁を感じて、東北の人たちに、前に突き進む
力を感じてほしいという思いで、この試合を戦うと語っていたそうです。

 NHKの中継の最後は、東芝の大野均選手とサントリーの畠山健介選手が、試
合後に抱き合っているシーンでした。東日本大震災で被災した東北出身のこの
二人が、被災地に届けた思いを印象づけるラストでした。

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