インフレ率を測る速くて安い方法、リアルタイムGDP計画
2011-05-27


ASAHIネット([URL] )のjouwa/salonからホットコーナー([URL] )に転載したものから。
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[URL]
日経サイエンス 2011年 07月号
に小さいけれど、面白い記事があった。
[URL]
日経サイエンス 2011年7月号
の「NEWS SCAN」にある「お値段そのまま」。
 内容は本誌をみてほしいが、副題が、「インフレ率を測る速くて安い方法」。
でもなぜか、「感染症」というのが「お値段そのまま」の上に付いている。ど
ういう意味? 誤植? 教えて、偉い人。

 MITにサイトがある。

[URL]
The Billion Prices Project @ MIT

 これ、ネットとICT技術を駆使して、リアルタイムでインフレ率を測ろうと
いうプロジェクト。
 これを発展させて、リアルタイムでGDPの計測もやろうとしているんだって。
 おれが、以前から、なぜ日本の経済学者はやらないのか。怠慢だろうといっ
てたリアルタイムGDP計画ですよね。アメリカの経済学者、MITの連中は立派ね。
少なくともチャレンジしている。
 ITの活用を力説する経済学者の野口悠紀雄がITの達人などといわれて大笑い
だが、野口悠紀雄は、お前が経済学に全然使えてないじゃん。gmailを使って
知的生産なんていうのは、お子様レベル。上記、MITの連中がやってるような
使い方だと、ITの活用といえる。

 リアルタイムGDPのことは、何度も書いている。ブログにこの言葉が出たの
は、2006年11月が最初みたい。ざっと4年半前。
[URL]
データや統計の罠と監視社会
--- ここから ---
 ところで、本書でもGDPが当然のように出てきて、GDPがわかるには数ヵ月か
かるからうんぬんという話があるのだが、いっつも不思議なのは、GDPがそん
なに重要な数字だったら、どうして日本の経済学者やアナリストの連中は、リ
アルタイムGDP計画をぶち上げないの? 現在の日本の国力や技術水準は、十
分そういうホラ話のようなものも、射程に入れられる水準だと思うのだが。
 構想力や突破力がある人間がいない? それとももうやってる? 地球シミ
ュレータを泣かせるほどのことをやってそうにないし、日本の経済学の連中、
知的怠慢だなと思うこと多し。
 現在のGDPは大雑把なマクロの数字だが、リアルタイムGDP計画で観測精度が
上がって、非常に細かい時間間隔でみられると、いろんなことがわかるんじゃ
ないか。
 以前紹介した
[URL]
高安秀樹著「経済物理学の発見」
なんて、まさにそう。
--- ここまで ---

[URL]
ブラック・ショールズの公式
--- ここから ---
 本書で経済物理学が発見したと書いてあるのは、ディーラーたちが過去3分
間しかみてないこと、1日のうち5%くらい裁定機会が発生していること。と
きには10分(為替ディーラーが一仕事するには十分な時間)にも及ぶ裁定機会が
あることなどです。
 こういうのを知ると、為替レートの変動をティック単位で観測できない世界
は、天文学でいえば解像度が非常に低い望遠鏡でみた世界、顕微鏡でいえば光
学顕微鏡の倍率が大したことない世界。しかし、いまや、すばるやハッブルみ
たいな望遠鏡だったり、電子顕微鏡、走査型トンネル顕微鏡(STM)や原子間力
顕微鏡(AFM)で観測できるような世界になってきた気がするんですよね。
 為替レートでそんな面白いものが発見できたなら、リアルタイムGDP計画を
ぶち上げて、GDPも調べてみたいと思うでしょう? 経済学者って、思わない

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