野口悠紀雄のトンデモIT論その2
2007-12-18


ASAHIネット([URL]のjouwa/salonからホットコーナー([URL] )に転載したものから。
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 少し書く余裕があるので、
[URL]
野口悠紀雄のトンデモIT論
の続き。
 今回関係ある部分は実はすでに
[URL]
プログラミング言語の人気ランキング
で書いた部分があるので、追加で書けばいいから、負担が少ないというわけ。
 まず、野口悠紀雄が書いた「21世紀のゴールドラッシュ第57回」
[URL]
反マイクロソフトの盟主サンマイクロ
を読んでほしい。
 我々の知っている歴史と現在とはまったく違う嘘が書いてある(実はこの回
には、もう1つ、我々の知っている歴史とはまったく違う嘘につながることが
書いてあるが、それが何かは宿題。でも、いつ書くかわかりません。すみませ
ん)。
 野口悠紀雄は、こう書いている。
 「しかし、実際には、ジャバはそれほど普及しなかったのである」

 最近、ASAHIネットのtti/salon(筒井康隆会議室)で、往年の多元世界SFの傑
作であるフレデリック・ブラウンの「発狂した宇宙」の話題が出た。この文庫
本解説を筒井さんが書いているのだ。
[URL]
フレドリック・ブラウン著, 稲葉明雄訳「発狂した宇宙 (ハヤカワ文庫 SF
(222))」
 懐かしくなって買ってきて読んだ。最初はこんな始まりだったかなあと思っ
たが、「アルクトゥールス人」という言葉が出てきて、ぱあっと一気に思い出
した。この話、我々の住む宇宙と似ているところは多いが、まるっきり違って
いるところも多々ある別の宇宙に放り込まれた男の奮闘記だ。
 そして、野口悠紀雄の書く
 「しかし、実際には、ジャバはそれほど普及しなかったのである」
という一文を読むと、自分が「発狂した宇宙」の主人公になった気分にさせら
れる。なぜなら、我々の宇宙では、Javaは大いに普及しているからだ。
 これが10年前の1997年時点での記述なら納得できる。当時は、Javaが出て数
年。危機感を抱いたMS(マイクロソフト)が、Javaの分断を図って普及を阻止し
ようとしていたころだったからだ。
 しかし、野口悠紀雄が上の一文を書いたのは、おそらく2005年、早くても
2004年か2003年だろう。というのは、週刊新潮の連載「21世紀のゴールドラッ
シュ」をまとめた
[URL]
野口悠紀雄著「ゴールドラッシュの「超」ビジネスモデル」
の出版が、amazonのデータでは2005/09/21になっているからだ。
 2005年、百歩譲って2004年、二百歩譲って2003年にJavaがそれほど普及して
いなかったなどと、どうして書けるのか。
[URL]
プログラミング言語の人気ランキング
で話題にした
[URL]
TIOBE Programming Community Index
で、Javaはほとんどずっと1位。
[URL]
をみると、2004年10月に2位になっているし、グラフからするとその前後も2
位だった可能性もあるが、まあ、フツーに考えて、ここが2001年からランキン
グをやり始めてほとんどずっと1位。
 しばしば書くが、本屋の棚でも、単独のプログラミング言語としては最も多
くの棚を占めている。
 そして、実際の開発の現場でも、おれの知る限り、2000年くらいからはサー
バ側の案件はJavaベースが多くなった。特にエンタープライズ系の案件、大手
SI(システム構築)業者が手がける案件はJava一色になった。

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