ASAHIネット(
[URL]のjouwa/salonからホットコーナー(
[URL] )に転載したものから。
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[URL]
The LLVM Compiler Infrastructure
にお便り。ブログのほうではすでにコメントがついていて、それは公開しまし
たが、メールでもらったものは、時間がなくていまごろで、すみません。
olfaさんから。
--- ここから ---
中村様へ。
> 素晴らしいコンパイラ技術をもっていた富士通や日立は、その技術を若い
世
>代の技術者に伝承することなく捨てちゃったし、プロセッサもせいぜい日立
が
>SHでがんばってるくらいかな。
もったいないです。
昔々、OFORT77(日立の最適化FORTRANコンパイラ)のスーパーコンピュータ版を
使ってたらベクトル命令列が2個に分離して間にスカラー(汎用機)命令が入る
ので遅い部分がありました。
私「なんで1個にまとめてくれないのー」
77「だって、その計算式なら途中で負数になるかもしれないから
平方恨の例外チェックのためにスカラーで仕切り直すの」
私「その部分では負数にならないのに。
じゃあABS()で囲んで確実に正数にするから1個にしてね。」
77「なんだ、だったら例外の心配がないから1個にするね。」
私「わーい」
TSSの会話型コンパイラではなく、バッチで毎回JOB投入してました。
それでも当時はコンパイラと会話していた気になっていましたよ。
その後、転職してパソコンのコンパイル結果(MSのアセンブラのリスト)を見て
日立がパソコンのコンパイラ作ったら世界征服できると思っていました。
とっても残念です。
--- ここまで ---
日立のコンパイラは、次のメールに出てくる中田先生がやってらしたんです
よね。
また、ぼくが最初に就職した管理工学研究所の元社長、吉村さんから。
--- ここから ---
正三郎君:
今日の「乳の詫び状」に,
>日本はもうプロセッサの研究もコンパイラの研究も放棄してますもん。
とあります.学界も産業界も大勢は確かにそうなんですが,コンパイラについ
ては細々ながらCOINS プロジェクト
[URL]
というのがあって,かの中田育男先生がリーダーとなり電通大を拠点にして今
でも続けています.(K3も私の在任中に数年間お手伝いしました)
蛇足ながら,中田先生が70才を過ぎてまだ仕事として人が使うためのプログラ
ムを書いておられるのには,全く頭が下がります.
取り敢えずご参考まで.
--- ここまで ---
CONINSについては、以前
[URL]
Lisp特別イベントその2
で紹介しています。まだ、活動しているわけですね。
中田先生のコンパイラの本は、
[URL]
中田育男著「コンパイラ 新コンピュータサイエンス講座」(オーム社)
と
[URL]
中田育男著「コンパイラの構成と最適化」(朝倉書店)
があります。前者は、後者よりポイントを絞った解説ですが、後者は、前述の
[URL]
Lisp特別イベントその2
でも、紹介している通り、中田先生の集大成のような本で、みっちりみっちり
です。
2009/11/23 追記:
中田育男先生の「コンパイラの構成と最適化 第2版」が出ています。
[URL]
コンパイラの構成と最適化 (単行本)
中田 育男 (著)
詳しくは、
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