補償光学、和周波レーザー、レーザーガイド星生成
2007-04-15


ASAHIネット([URL]のjouwa/salonからホットコーナー([URL] )に転載したものから。
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 さっき、放送大学で、補償光学の講義をやっていた。
[URL]
ペルーの電波望遠鏡を支援しませんか
で書いたときに、観たのとは違うみたい。
 いや、もう忘れていて、同じ講義が違う講義に思えるだけかもしれないが
(泣)。ま、でも、それはそれで同じ話を何度でも新鮮に受け取れるので、幸せ
なのかもしれない。\(^O^)/
 ちなみに、私、1万円、寄付しました。

 大気のゆらぎを計算して、それを打ち消すようなことやって解像力を上げる
のが補償光学。すばる望遠鏡も使っている。
 望遠鏡の鏡の面を、大気のゆらぎを打ち消すようにダイナミックに歪めると
いう、ここまでの話でさえすごいのに、この先がもっとすごい。
 大気のゆらぎを計測するには、基準になるガイド星が必要。しかし、都合の
いい星が観測したい方向にあることは滅多にない。1%くらいらしい。
 では、どうするか。驚きの連続!
 観測によると、地球の上空90kmくらいにナトリウム原子密度が高い層がある!
驚愕!
 そこになんとレーザーを照射して人工的ガイド星を作る! 驚愕!
 うまくやると、ナトリウム層が黄色に発光して星になる! 驚愕!
 道路のトンネルについてるナトリウムランプの黄色い色です。あれですあれ。
あの色。
 そのレーザーは、ナトリウム原子を励起させるために、波長の589ナノメー
トルのものが必要。
 その波長のレーザーは、和周波レーザーといって、2つの波長のレーザーを
組み合わせて作るんだって! 驚愕!
 理化学研究所の研究所での実験模様と、屋外で上空に向けて実際にレーザー
を発射する実験をやってるところが放送されました。
 そして、このシステムを使うと、解像力が10倍も向上する! 驚愕! \(^O^)/
 すごいねえ。これって、思いつく頭のよさだけじゃなくて、実現する頭のよ
さもよさもないとだめですからねえ。

 詳しくわかりやすい説明がありました。
[URL]
すばる望遠鏡補償光学系のガイド星生成用レーザーの開発
[URL]
大気のゆらぎを克服する波面補償光学装置
をどうぞ。

 この補償光学は、天文学で開発されたけれど、他の産業分野への応用も考え
られていて、医学への応用の話がありました。
 人間の眼の奥。眼底の細胞の写真はうまく撮れなかったんですって。なぜか
といえば、目の玉である水晶体がちょうど大気のゆらぎに相当して、像がボケ
ちゃう。そこで補償光学を使うという話。よー、思いつくなあ。\(^O^)/
 きれいに取れると色から糖尿病だとかわかるんだって。
 このあたりのリンクかな。
[URL]
NEDOワークショップ 「人体の“窓”、眼底から体内を見る(診る)」
[URL]
分子イメージング機器研究開発プロジェクト 別紙2 (事業の背景)
[URL]
生活習慣病超早期診断眼底イメージング機器研究開発プロジェクト
[URL]
光技術とバイオメディカル

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