プログラミングでのマッシュアップ
2006-11-19


ASAHIネット([URL]のjouwa/salonからホットコーナー([URL] )に転載したものから。
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 小説のマッシュアップのことを書いたので、ついでに。

 プログラミングのほうのマッシュアップはいろいろみんなやってますよね。
どうしてもウェブブラウザ内でJavaScriptを使ってというのが多いけれど、
Javaでやる話だと、もう先月号になってしまったけれど、
[URL]
ref=nosim
Software Design (ソフトウエア デザイン) 2006年 11月号
の特集「Javaでマッシュアップ&リミックス」は、なかなか楽しかったです。
勉強になりました。
 個人的にはこの手の技術、他人のふんどしで相撲を取るわけだから、すぐで
きることだし、技術的にも何の競争力にならないんだけど、いま、Web2.0に引
っかかっているカモにウケてるから、必要ならやってもいいってくらいの感じ
ですね。\(^O^)/

 以前、
[URL]
Google Maps Hacks
の原書が出たときに、Google Mapsをちょっとやってみたりもしました。
 で、思ったのは、これ、マッシュアップされる側じゃないと、ビジネス的に
は何のメリットもないこと。
 企業のサービスで、たとえば、Google Mapsに依存しているのは大丈夫なの
かと思いますけどね。いまはタダだし、便利でいいけど、首までどっぷり浸か
って抜けられなくなったことを見計らってGoogleからライセンス料請求された
らどうするんだと思うよね。
 我々の業界だと、MicrosoftとIntelがやった前例がありますからね。
 アストロビスタが昔、なくなった某誌の連載で書いていたが、Microsoftと
Intelがやったのは、うちの材料使うとタコ焼きを安く作れるからどんどん作
ってくれと、安くタコ焼きの材料やらタコ焼きの鉄板やら焼き方のノウハウや
らをばらまきまくって、世界のハードメーカにせっせとWintel(Microsoft +
Intel)流のタコ焼き作りを広めて、みんなが足抜けできなくなったら、支配権
を握って、ばんばん金を取るようになったという世界だもんね。

 週刊東洋経済2006/06/24号で、Web2.0の特集をやっていて、経済誌としては
よくまとまっているとは思ったが、論調としてGoogleをオープンな企業のよう
に扱っていたのは、おかしくないか。
 WebサービスのAPIを公開してマッシュアップを促しているからというのがそ
の理由だろうが、これはねえ(笑)。たとえば、MicrosoftはWindowsのAPIを公
開しているが、Microsoftがオープンな企業だと思うのはよほどのマヌケでし
ょ? 同じ愚を犯していると思うけれどね。
 こういう誤解というのは、梅田望夫「ウェブ進化論」のマーケ屋、営業トー
クに乗せられたバカの末路みたいなもんで、ミスリーディングでしょう。だか
ら、「ウェブ進化論」のような浅い営業トーク本は、扇動だけなので、社会に
とって害毒なんです。

 オープンだというなら、地図情報のAPIは誰の所有物でもない形にして、標
準化されないとだめ。そしてGoogle Maps以外にその標準化されたAPIを実装し
た地図情報サービスが出てこないとだめ。そうしないと安心して使えないもん。
少なくとも企業の命運を握るようなビジネスでは不安ですよね。生命線を他社
に握られるわけだから。よほど相互の信頼があるか、契約で互いを縛るか。
Web2.0の世界などと新しい世界がやってきたかのように言い募っても、その辺
は変わらないもんね。
 結局、Googleだって営利企業だし、囲い込みの世界であることには何の変わ
りもない。他のWeb2.0企業もそう。そこはちゃんと押さえてないとね。

 囲い込みですごいと思ったのは、もう1年以上前に書いたことだけど、UPS
の囲い込み。

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