メディアの支配者(上下)
2005-09-02


ASAHIネット([URL]のjouwa/salonからホットコーナー([URL] )に転載したものから。
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 出たら買おう買おうと思って、やっと買ったのが、中川一徳「メディアの支
配者(上下)」(講談社)。
 まだ読んでないんですが、綿密な取材で戦後からいまに至るまでフジサンケ
イの闇を暴く渾身のノンフィクションであることは、目次の見出しと、中をぱ
らぱらめくっただけでわかります。
 マスコミ、ジャーナリズムに興味をもつ人は必読。
 テレビや新聞は、すさまじい権力闘争の場でもあり、腐敗も進んでいるが、
自分らに都合の悪いことは報道しない報道機関、言論機関でもある。したがっ
て、メディアの真実を知りたい人には必読となるわけ。
 フジサンケイは、昔から権力闘争がすまじいので有名ですが、本書では、そ
の争いが克明に書かれてると容易に想像できます。
 たとえば、上巻の最後、後にクーデターを起こしてフジサンケイを乗っ取る
今の日枝会長は、まだ学生で、フジサンケイを作って支配した財界組織、共同
調査会の存在も知らない状態ですね。いやあ、わくわくするなあ。
 上巻冒頭の部分をちょっと読んだら、おれ知らなかったんだが、彫刻の森美
術館を舞台に美術品を使った錬金術をあれこれやったんですね。
 中川さんの取材力はすごいですね。
 フジサンケイの闇は深いね。
 フジサンケイのイメージは、新聞や出版は極右イケイケ路線なのに、テレビ
は軽チャーアンポンタン路線で支離滅裂的にみえますけど、なぜ、こういう路
線になったかも、おそらく暴いてくれるでしょう。、

内容紹介から。
--- ここから ---
歴史は繰り返される。
日枝久会長率いるフジテレビは、堀江貴文のマネーゲームによって危うく乗っ
取られかけた。フジサンケイグループが内包していた経営上の「弱み」を、巧
みに衝かれたのだ。

フジサンケイの支配者は、創立者・鹿内信隆、二代目・鹿内春雄、そして娘婿・
宏明の鹿内家三代と入れ替わったのち、日枝が謀議を巡らしクーデターによっ
てそれを追い出した。日枝は、新たな支配者として君臨した。

しかし鹿内一族は、グループ支配のカギとなるニッポン放送株を容易に手放そ
うとはしなかった。「乗っ取り屋」日枝は、鹿内家の影響力を排除するため株
式の上場に走ったが、それが自らを地位を危うくすることになるとは想像もし
ていなかった――。

15年に及ぶ信じがたいほどの取材量によって、フジサンケイグループの暗部を
余すところなく明らかにする。
鹿内家の内部文書、多くのフジテレビ、ニッポン放送、産経新聞社員の証言に
よって、知られざるメディアの裏面がはじめて説き起こされる。
戦中・戦後の混乱を生き抜き、梟のように奸智に長けた創始者・信隆。
プリンスとして育てられ、数々の結婚、離婚を繰り返し、現在のフジテレビの
基礎を作った夭折の天才・春雄。
エリート銀行マンから春雄の死によって唐突に後継者に指名され、奮闘むなし
く日枝に追い落とされた娘婿・宏明。
そして巧みな根回しと戦略によって現在のグループを率いる日枝久。

「支配者」たちの歴史は、そのままこの特異なメディアグループの歴史でもあ
る。
--- ここまで ---

[URL]
中川一徳「メディアの支配者(上)」
[URL]
中川一徳「メディアの支配者(下)」

 上記、アマゾンの情報には、目次がなかったので、講談社に行って
[URL]
中川一徳「メディアの支配者(上)」

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