カーム・コンピューティング(calm computing)、静かに穏やかに見守るコンピューティング、さりげないコンピューティング
2017-09-24


ASAHIネット([URL] )のjouwa/salonから。
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 IoTの
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坂村健「オープンIoT―考え方と実践」、その他IoT関係本、新里祐教のIoT開発キットで遊ぼう!、IoTウイルスの脅威、IoTで築く九州デジタルイノベーション
を書くのに、
[URL]
「IoT革命」はいま、どんな局面にあるのか?
坂村健・東洋大学情報連携学部長に聞く
ダイヤモンド・オンライン編集部〓
2017.6.7
を読んで、思い出したのに、上記で書き忘れたことがあった。
 ユビキタス、IoTの言葉の変遷が出てくるが、もっと前には、カーム・コンピューティング(Calm Computing)という言葉もあった。
 ほかに、Invisible Computing, Pervasive computingなどもあった。
 ちょっと毛色が変わるが、コンピュータが作り出す現実を超えた現実として、拡張現実、Augmented Realityという言葉もあった。

 ぼくは、カーム・コンピューティングという言葉が好きだった。イメージがいい。
1970年代、世界で最も刺激的な研究所だったのが、Xerox PARC(ゼロックスのパロアルト研究所)。ここは、後のAppleのMacintoshなどにつながるAltoを作ったり、Scratchにつながるプログラミング環境Smalltalkを作ったり、偉業を成し遂げた場所。
 そんな研究所で、研究されていたのが、カーム・コンピューティング。
 ネットワークでつながったコンピュータやセンサー、アクチュエータが生活環境にあらゆるところに存在し、その多くは、それとは意識されないように環境に埋め込まれた形で存在する世界。
 それらが、決して自己主張せず、人の邪魔にならないように、静かに穏やかに、人々の生活を便利で安全にするため、支え、見守っている。そういう、さりげないコンピューティングが実現する世界を示す言葉だった。

 いまや、生活のあらゆるところにコンピュータやセンサー、アクチュエータが埋め込まれるようになって、IoTと騒いでいるが、カーム・コンピューティングのプラスイメージより、国家による管理や監視社会の道具としてのイメージが強いのが残念。

 あ、英語のWikipediaに、ちゃんと項目がある。
[URL]
 そうそう、マーク・ワイザー(Mark Weiser)だ。彼は、いまの世界をみることなく亡くなったけど、そのヴィジョンは、いまだに影響があるね。
[URL]
をみると、
Mark D. Weiser (July 23, 1952 〓 April 27, 1999)
だから、彼が亡くなってから、もう20年近くも経つんだ。びっくり。
 直接、Calm Computingの項目を載せているサイトもある。
[URL]

 ああ、カーム・コンピューティングの会社もある。さすがアメリカ。
[URL]
Calm Computing, Inc.

 日本語でも、文中にカーム・コンピューティングが出てくる説明がある。
[URL]
ユビキタス・コンピューティング(ゆびきたす・こんぴゅーてぃんぐ)
Ubiquitous Computing / UbiComp

 ぼくの中で、カーム・コンピューティングと深く結びついているのが、ホーガンの傑作SF「星を継ぐもの」シリーズ、ガニメアンのシリーズに登場するゾラックというコンピュータ。
 当時、九大(九州大学)の荒木先生と、こんなコンピュータが作れるのは、いつごろかな。第7世代コンピュータくらいかななどと話していた。その辺の詳しいことや、「星を継ぐもの」シリーズのリストは、
[URL]
追悼。ハードSFの巨匠ジェイムズ・P・ホーガン
をどうぞ。


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