筒井康隆「創作の極意と掟」トークイベント。「ペニスに命中」のことも。
2014-02-28


ASAHIネット([URL] )のtti/salon(筒井康隆会議室)からホットコーナー([URL] )に転載したものから。
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 みなみなさま、昨夜は、楽しい時間をありがとうございました。

 地下鉄の出口から地上に出ると、小雨の中、講談社前に長蛇の列。何事かと
思って、列を眺めると見知った人たちが。イベントに参加する人たちの列でし
た。

 前半の質疑応答、ああなるほどと思うことが多々ありました。
 筒井さんの女性の好み、ご自身が描いてこられた小説のヒロインは、どれも
好きなタイプではないのですね。個人的には新発見。
 トポスとしての家。作品に登場する家の描写は、自分が幼少の頃に暮らして
いた家がかなり出ているという話も、個人的には新発見。
 私の質問も採り上げてくださって、しかも、質問者は、「創作の極意と掟」
をすでにお読みだと思って回答しますとフォローありがとうございました。
 すみません。未読です。すみません、すみません。当日朝、特集ページにあ
る文章は読みましたが、「創作の極意と掟」は、読んでおりませんでした。す
みません、すみません。

 後半の「鬼仏交替」の朗読。笑いました。
 ジャガーチェンジ(豹変。これは、大昔、山下洋輔さんのエッセイで初めて
知った言い回し)の瞬間における声の強弱の付け方、間の取り方。朗読だと、
自分で文章を読むのは全然違ったライブ感、生き生きした感覚がありますね。
本の活字が集合して人の形になり、役者として舞台で動いているような幻視が
あります。
 「鬼仏交替」の朗読は、今回で2回目とのこと。机をどんと叩くシーンで、
1回目のことを思い出しました。あのときは、どんと叩いたはずみで、テーブ
ルに用意してあった水の入ったグラスが落ちて割れましたよね? 割れなかっ
たかもしれないが、机の上でグラスが倒れて水がこぼれたような記憶がありま
す。
 懇親会の席で、あれを観たのは、いつ、どこでだったのか、ベさんやとーふ
やさんとあれこれ思い出そうとしましたが、だめでした。私は、お台場でやっ
たイベントのときだった記憶があるんですが、ベさんは、それならおれも行っ
てるけど、そんな記憶がないと言います。
 もうどんどん何でも忘れていきます。
 懇親会では、この会議室の皆様、そして症候群の皆様と歓談することができ
ました。ありがとうございました。

 突然、私が、「ペニスに夢中」と読み間違えていた「ペニスに命中」のこと
を。
 読み始めて、すぐの第一感。これが、後期高齢者が書く小説か。パワフル過
ぎる!
 「アノミー都市」に通じるものがあるというのを、味鋺屋(あじまや)さん
が、この会議室でお書きになっていたと思うが、いや、ほんと。
 今年で御年80歳。ふつー、その年齢だと、枯淡の境地を描ききった傑作な
どと評される作品になると思うのだが、血気盛んな若者、血が滴るようなパワ
ーに溢れている。
 おっとろしかこつばい、鮎原さん。\(^O^)/
 気になったのは、「昼下がりの秋田県という気分」という言葉。秋田県には
行ったこともないのに、なんか、わからんけど、納得してしまう。なぜだ。こ
ういう言葉を探してきて、さりげなく使っているところが、作家の感覚の鋭さ
を感じるところ。
 おっとろしかこつばい、鮎原さん。\(^O^)/
 大分県には、「よだきい」という形容詞がある。これは「大分の、真夏のう
だるような暑さの昼下がり」を表現するのにぴったりの言葉だが、「昼下がり
の秋田県」を表現する形容詞はあるのか。
 「アルゴリズム」と「ヒューリスティック」の説明。こんなに簡潔明瞭、か
つ、爆笑の説明は、初めて読んだ。コンピュータサイエンス、情報工学の大学

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