記憶があるので、冬だったのか。
次の日の夜になって、父が帰ってきた。
示談もすぐできて、万事話はついたいうことだった。
そのときに、父が、こういう話をした。
亡くなったおじいさんは、突然、車の前に飛び出してきて、よける暇もなか
ったと。
そのおじいさん、認知症の徘徊老人で、よく家から出て行っていたと。
そのせいだろう。あきらかに先方の家族がほっとしている。特にお嫁さんは、
ほっとしているのがわかったと。
まあ、こう言っちゃ、なんだが、家の外をあちこち徘徊して手を焼いていた
から、都合よく、うちの従業員がはねてくれて、金まで出してもらって、助か
りましたという感じだったと。
だから、示談はとんとん拍子で話がまとまり、
「まあ、うまいこと殺してくれた上に、お金までもらえて、すみませんね、ほ
んとに助かりました」
ちゅうようなもんよと。
子供だったおれは、それを聞いて、衝撃を受けた。
家族が死んで、ほっとした、都合がよかった、助かった、そんなことがある
のかと。
それで、「えーっ、そんなんあるん?」と訊いたんだよ。
そしたら、母は、介護に追われ、疲れ果てていた家族、特にお嫁さんのこと
を思ってだろう。
「それはあるよ。世の中には、そういうことはあるよ」
と、小声で、しみじみと語った。
あのときが、初めて、人間の心の闇、世の中の闇を実感したときかもしれない。
うわべだけでは、社会はできてないんだと。
おれとは年が離れている姉も、それに同意していた。すでに、世の中の闇を
ある程度見聞きしていたんだろうね。
ということで、情報省は、介護疲れのご家庭に営業をかけて、暗殺を請け負
うようになりました。\(^O^)/
おいおい。
いや、絶対、そういうビジネスやってる奴がいると思うよ。
あの事件があったときは、祖母が亡くなってあまり日が経ってなかったかも
しれない。
おれは、おばあちゃん子だったし、初めて、普段暮らしている家族から一人
いなくなったから、祖母が亡くなったときは、大変にショックで、何が何かわ
からなかった。
我が家は、筑豊の直方から、会社経営のために門司に引っ越してきたが、
引っ越してきたころは、おれはまだ幼児も幼児。生活が軌道に乗るまで、母の
実家のあった直方にいた祖父母に、ほとんど預けられていた。それで、
おばあちゃん子になっていたんだよね。
介護関連で、以前、売れいていたもの。
お買い上げありがとうございます。
和田行男さんは、上記、NHKスペシャルにも出ていましたね。
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認知症の介護のために知っておきたい大切なこと
パーソンセンタードケア入門 [単行本]
トム・キットウッド (著), キャスリーン・ブレディン (著),
高橋 誠一 (翻訳), 寺田 真理子 (翻訳)
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プロフェッショナル 仕事の流儀
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和田行男 (出演) | 形式: DVD
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古武術の体の使い方を学んで、介護の負担を少なくする話は、以前、紹介し
たことがある。
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甲野 善紀
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