「はやぶさ」はいかにして危機を乗り越えたのか?
2010-12-18


ASAHIネット([URL] )のjouwa/salonからホットコーナー([URL] )に転載したものから。
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 まだあった川口 淳一郎はやぶさプロジェクトマネージャーのインタビュー。
[URL]
「はやぶさ」はいかにして危機を乗り越えたのか?プロジェクトマネージャー
JAXA川口教授に聞く(前編)
[URL]
「はやぶさ」はいかにして危機を乗り越えたのか?プロジェクトマネージャー
JAXA川口教授に聞く(後編)

[URL]
から
--- ここから ---
さらに復旧にはコストも時間もかかり、JAXAとしての判断も迫られます。そこ
で、自動復旧はあり得ないと確定した時点で「長期戦になる」という発表を行
ないました。

 この時、最も意識したのが「救える可能性がある」ことを内外に発信するこ
とです。推定される状況から論理的に救出できる確率を導き出し、JAXAの理事
会でプロジェクトの継続を訴えたのです。
--- ここまで ---

 これは、
[URL]
的川泰宣「小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡」、特別メッキ版「はやぶさ」
で書いた
[URL]
小惑星探査機「はやぶさ」の奇跡 [単行本(ソフトカバー)]
的川 泰宣 (著)
に出てくる話のころですね。文科省が、プロジェクトを中止しようとしたとい
う。
 この話、この本では、電話がかかってきたことになっているが、
[URL]
はやぶさ:支えた職人集団、全団体に感謝状、的川泰宣「小惑星探査機 はやぶさ物語」
で紹介した
[URL]
小惑星探査機 はやぶさ物語 (生活人新書 330) [新書]
的川 泰宣 (著)
では、文科省の老化でいわれたこと、あ、うまい誤変換、文科省の廊下でいわ
れたことになっていたり、ちょっと違うんですが、両方あったと思う方が自然
でしょうね。つまり、それくらい、文科省から見込みがないなら「はやぶさ」に
税金を使うのをやめるといわれてたんだろうと推測します。
 だから、プロジェクトを中止させられないように、内外に発信して味方を作
ろうと思ったんでしょう。いい作戦でしたね。

[URL]
から、
--- ここから ---
ただ、日本国内の対応については、一抹の寂しさは感じました。私たちの取り
組みをニュースとして一番に取り上げるのは、いつも米国のメディアでした。
日本のメディアは米国で報道されると追従して報道する。事業仕分けでも同様
です。

 どうして世界一でなくてはならないのだと仕分け対象になり、帰還した途端
に大騒ぎになって予算復活となりました。メディアも政治家も、自分たちの国
が行なっている国家的プロジェクトに対して、何をやっているのか、どういう
価値があるのか、価値・意義を判断できていない。つまり、絶対評価尺度をも
っていないというわけです。そうなれば、価値観もポリシーもなく他者の反応
や評価で判断が揺らぐのは当然です。

 絶対評価尺度があれば、他者からの評価に動じずに、ポリシーに基づいた判
断や行動がとれるはずです。特にリーダーが揺らぐことがなければ、チームは
安定し、対外的にも理解を得られるのではないでしょうか。一人の人間として
はもちろん、組織や国としての信頼にもつながっていくのではないかと思いま
す。
--- ここまで ---


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