ASAHIネット(
[URL] )のjouwa/salonからホットコーナー(
[URL] )に転載したものから。
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ピアノの発表会が終わって、自由時間の中で、少しピアノにかける時間を減
らして、ずっとほったからしになっている基幹物理学という物理の基本の勉強
を再開しようとしたら、この前、家の大掃除をした影響で、本がどこに行った
から、わからない。
1年以上ほったらかしだったから、すねてどこかに隠れたのかもしれない。
天の岩戸伝説か、お前は。
一度、今年の2月頃かな。再開しようと思って、ちょっと手を出したのね。
そしたら、微分方程式の立て方を間違っていたから、とんでもない答が出た。
時間 t を無限大にしたら物体のスピードが光速を超えて無限大になったのよ。
アインシュタインもびっくり。\(^O^)/
ばかー。お前、地球の歴史を一変させる大チャンスを逃したんだぞ。
えっ、どういうことですか。
お前の微分方程式は、間違ってなかったんだよ。偶然にも超光速航行を可能
にする方程式だったんだよ。ワープ、ハイパージャンプ、どう呼ぼうが勝手だ
が、地球人が光速を超えて、宇宙を飛び回れるチャンスだったのに。ああ、な
んというバカなのだ、お前は。常識にとらわれて、あれが間違った方程式だと
思い込むとは。
えっ、それは大変大変変態止まれ。じゃ、あのときの計算のメモ、必死で探
さなきゃ。たしか、基幹物理学にはさんだような気がするんですけど。
その基幹物理学が見つからないんだろ。あんな分厚い本が。つまりは、お前
が地球人初の超光速航行を達成したという栄誉を受けるチャンス、それが永遠
に失われたということだよ。
くくく。ま、地球の未来の歴史を知っている人間からすれば、正三郎が超光
速航行の歴史に名を残さないのは、すでに起こった未来ですけれどねえ。
じゃ、誰が超光速飛行の歴史に名を残すんですか。
ゼフラム・コクレーンですよ。聞いたことないでしょ。まだ生まれてないか
らね(笑)。彼は、2063年にワープ技術を開発し、超光速航行を初めて成功させ
るんですよ。あなた、残念でしたねえ、せっかくの大チャンスだったのに。
ほんとなあ。もう一度だけチャンスをやろうと、国立科学博物館の「空と宇
宙展」に行くように仕向けたのに。親の心、子知らず。
そうそう。あれを観て帰ってきた夜に、基幹物理学を探していれば、見つか
ったかもしれませんねえ。「幸運の女神には前髪しかない」といいますよねえ。
あのぉ、それについて昔から疑問なのが、前髪しかないということは、それ
より後ろはハゲでしょ。つるつるでしょ。そんな女がいきなり目の前に出てき
て、前髪、つかめますか。女の顔や姿ならまだいいですよ。チョウチンアンコ
ウみたいだったら、どうするんですか。つかめますか、そんなの。
ばかー。いくらチョウチンアンコウみたいで気色悪くても、勇気をふるって
手を出してつかめ。そうしないと成功はおぼつかないぞ。
そうそう。必死で手を出さないとだめですね。で、つかもうと思ったら、チ
ョウチンアンコウに食べられるんですよね(笑)。
普通、そうなるわなあ。つかもうとしても成功する確率はほとんどない。大
半は、食われて終わり。\(^O^)/
生き残って成功した人のことは、流布しますが、食われて死んだ人たちのこ
とは流布しませんものねえ。成功者の話は聞きたいが、失敗者の話なんか聞き
たくないのが大衆心理ですし。
それでも、蛮勇をふるうことを奨励すれば、挑戦する人間の数が増えて、希
に成功する。それでイノベーションが起きて、人類の文明・文化が進展すると
いう効果は期待できる。実際問題として、地球人という種族は出来が悪いから、
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