ミセス・ワタナベ(ワタナベ夫人)、橘玲の海外投資術本のこと
2009-05-16


ASAHIネット([URL]のjouwa/salonからホットコーナー([URL] )に転載したものから。
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[URL]
クーリエ・ジャポン2009年6月号、その他の記事
で書いたミセス・ワタナベ(ワタナベ夫人)のことの続き。

--- ここから ---
 「ミセス・ワタナベ」「ワタナベ夫人」は、日本の主婦がFX(外国為替証拠
金取引)で大儲けするようになって、海外の投資のプロ連中が、そういう主婦
たちの総称として付けた名前。この言葉を初めて知ったのは、1年以上前に読
んで、紹介しようと思って、そのままだった、
[URL]
黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 (単行本)
橘 玲 (著)
を読んだとき。
 この話は、長くなりそうなので別に書く予定。
--- ここまで ---

 いつもなかなか書かないのに、なんと、もう書いちゃう。^^;
 この本は、Web2.0という言葉が当時流行っていて、それを真似るなら、いま
は金融2.0というべき状況で、ネットの発達で、個人でも海外の金融機関に口
座を開いて、取引できると。それを知ると、日本の銀行、郵貯、証券会社など、
手数料などがバカ高すぎるし、商品もバリエーションが乏しいし、ぼりまくり
だろう。だったら、海外投資もいいんじゃないかという話。
 おれにはそんな金がないので、海外のタックスヘブンに口座を作ってうんぬ
んは、フィクションのように読んだが、中でも本書で面白かったのは、橘氏が
日本人が来たこともないような国に行って、そこの金融機関で口座を作ったと
きの話。日本人を見たこともないし、ましてや口座を作ったこともないから、
地元の人たちもてんやわんや。
 もちろん、もう、ここに書いてある状況とはずいぶん違っているので、特に
サブプライムローン問題以降は世界が一変したので、本書の話は参考程度にし
かならないと思うけれどね。

 でね、ミセス・ワタナベのことは、皮肉っぽく書いてありました。
 まさにこれ、「動物化するポストモダン」をとっくに通り過ぎて、「動物化
したポストモダン」から「昆虫化したポストモダン」から「粉体化したポスト
モダン」も通り過ぎて、「ボース・アインシュタイン凝縮体(BEC)化したポス
トモダン」です。
 いまは、情報操作がすごくやりやすい時代ですね。
 ネットの発達で正しい知識を身に付けるチャンスも増えたけど、それをちゃ
んとやろうとする人は少ない。企業側の売り文句やごくごく一部の大儲けした
話だけが伝わりやすい構造だから、そっちを真に受けちゃう。仕掛ける側は、
集団催眠、集団思考停止状態にして操りやすい時代なんです。
 ミセス・ワタナベがすごいのは、外国為替のなんたるかをこれっぽっちも知
らず、ゼロ金利だと老後が心配ですよ、貯蓄から投資ですよという言葉に踊ら
されて、バクチとは思わず、投資だと思ってばんばん金をつぎ込んだこと。
 理論的には、海外の金利が高く思えても、その金利差は為替が調整する。よ
って結局は、プラスマイナスゼロ。フツーは手数料分は損する。ただし、理論
通りには動かないところがあるので、その歪みを見つけて勝負する。というこ
とも知らずに、どこそこの国の通貨だと金利が5%といわれれば、それがそのま
ま手元に来ると思っちゃうのね。
 そして、たくさんの主婦が参入すれば、正規分布だとしても、確率的には、
中には何億円も稼ぐ主婦が出てくる。それをメディアが持ち上げる。私もやろ
うとまた参入する。
 一人一人の投資額は少なくても、大量に集まれば、為替を左右するような動
きが出てきて、一体、どういうすごい機関投資家なんだと思ったら、なんと、

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