恐るべし、角川ビギナーズ・クラシックス!、源氏物語と母の思い出
2009-05-13


源氏物語 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス) (文庫)
角川書店 (編集)

 源氏物語といえば、亡くなった母は、源氏物語がどうしても読みたいと思っ
ていたらしく、でも、眼が見えなくなったのであきらめていて、でも、やっぱ
り、源氏物語が読みたいというので、おれが高校生か、大学生のころか、いや、
もっと後か。父が50冊以上ある全集を買ってきて、少しずつ、読んで聴かせて
いた。もちろん、現代語訳。おれも、何度も、母に読んで聴かせたことがある。
 でも、10ページも読み聴かせると疲れちゃうんだよね。朗読する人間は時間
が取られるし、疲れるしで、なかなか大変。だもんで、プロが朗読したカセッ
トテープ、これも50巻以上あった思うが、何かの通信販売にあったらしく、父
がこれを買った。
 母には、目が見えなくてもわかるように、ラジカセのボタンの押し方を教え
て、自分で聴いてもらうようにした。母は、あれ、全巻、聴き終わったんだろ
うか。
 テープは、喜んで聴いていたふうだったが、ほんとうは、テープより、家族
がそばで読み聞かせてくれる、自分のために時間と労力を割いてくれる、それ
がほしかったのかもしれない。いまさら言っても、しょうがないことだけど。

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