マンガ「神の雫」第206回にみる「勝間和代はなぜだめか」(笑)
2009-04-21


ASAHIネット([URL]のjouwa/salonからホットコーナー([URL] )に転載したものから。
---
 もう先週号になると思うけれど、漫画雑誌「モーニング」NO.20 2009年04
月16日(木)発売号の「神の雫」第206回。ここに勝間和代はなぜだめかの
例があった(笑)。
 ワイン事業部をどうするかを巡って、対立する2つの陣営が3つのワインを
選ぶ勝負があるんですが、その決着がついたのがこの回。
 切れ者ビジネスマンの陣営は、世界的な人脈と情報網を使って、世界各地か
ら3つのワインを選ぶ。主人公が属する陣営は、ボルドーだけで選ぶ。結果は、
主人公が属する陣営の勝ち。
 理由を、これも主人公といっていい天才ワイン評論家?が解説。
 曰く、切れ者ビジネスマンの陣営は「ワインを学んで選んだ」、一方、主人
公の陣営は「ワインを感じて選んだ」。そしてセレクションに一貫性、ストー
リーがあったと。
 これがなぜ、勝間和代はなぜだめかにつながるかといえば、何度も言ってる
ように、データ処理的な読解と文学的読解(あるいは芸術的読解)の違いだから。
文学的読解がデータ処理的な読解に勝ったという勝負にしてあるから。
 勝間和代が喧伝する速読など、勝間和代的データ処理的な読解は、情報通信
技術とAI(人工知能)的技術の発達でコンピュータにどんどん置き換えられてい
く。
 人間が勝負できるのは、直観や感性を使い、作品を批評的に読み、自ら物語
を紡いでいける文学的読解のほう。これだって、いつまで勝負になるかわから
ないが。
 繰り返し述べているように、データ処理的な読解は、人間の知的作業として
は付加価値がどんどん低くなっていく。自分を情報サイボーグ化してそこに最
適化しても、単に奴隷労働力として自分を追い込むだけだろうというのが、お
れの考え。

 ところで、モノを売るには物語を売れというのは、マーケティング、広告の
世界では、ずいぶん前から言われていると思う。記憶だと20年くらい前かな。
バブル崩壊前かもしれないから、もっと前かもね。
 成熟社会ではモノが売れなくなる。モノはあふれているし、技術が成熟する
と、性能などでは差別化しにくい。モノを売るには、理屈(論理)で売るのでは
なく、客の感動(情動)に訴える。そのためには、ストーリーを付けたり、神話
化したり、伝説を付けたりといった話がずいぶん前に出ていた。
 上記の勝負もそれをそのままやった感があるね。
 この路線の最近の大ヒットは、ソフトバンクが展開したイヌのお父さんの家
族ね。あのなんだかわからない家族のストーリー。それで引きつけて、そこに
ホワイトプランなどの情報を少し混ぜる。大当たりでしたね。

コメント(全3件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット