東レ科学振興会講演、J-PARCとミュオンによるラジオグラフィー
2008-09-21


ASAHIネット([URL]のjouwa/salonからホットコーナー([URL] )に転載したものから。
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 2008/09/19(金)に東レ科学振興会の講演を聴きに行った。
 今回のテーマは、
--- ここから ---
粒子ビームが見る世界
 加速器で探る素粒子・宇宙・物質・生命
  J-PARCセンター長
  教授 永宮正治 先生
 素粒子を応用したラジオグラフィー
  カリフォルニア大学物理研究員
  東京大学名誉教授 永嶺謙忠 先生
--- ここまで ---
というもの。
 詳しくは、
[URL]
第58回科学講演会
をどうぞ。
 永宮先生の話は、高エネルギー物理や素粒子物理、加速器とはどういうもの
かという入門的話と、J-PARCはどういう施設で建設までの苦労や、CERNのLHC
との違いなどのお話。
 J-PARCは大強度陽子加速器施設で、J-PARCについては、
[URL]
[URL]

 見学会は8月にやったそうで、来年もやるそうです。
 来年は、J-PARC合宿か。\(^O^)/
 技術的な話も面白かったけれど、日本の場合、海外の研究者の受け入れのイ
ンフラが整ってないのが心配という話も面白かった。
 日本の研究者は海外の施設に行って研究するのが当たり前で、J-PARCは逆に
なると。
 海外の施設は他国からの研究者の受け入れのインフラがいろいろ揃っている
と。この場合のインフラは、周辺の市町村の施設や社会制度、住民の意識など
を含めた話。
 これだけの施設だから海外の研究者が来たがるけど、たくさんガイジンさん
が来るとどうなるんだろうと。2004年のサッカーの日韓ワールドカップでカメ
ルーン代表のキャンプ地になって一躍有名になった大分の中津江村みたいに、
うまいこといけばいいんけどね。

 永嶺先生の話は、簡単にいうとミュオン(ミューオン、ミュー粒子)を使って、
あらゆるもののレントゲン写真を撮ろうというもの。
 全然知らない世界だから驚きの連続。
 すごいんだ、これ。ミュオンを使えば、山のような巨大なものから、ナノの
世界まで、非破壊でいろんな情報が取れるという話。マクロからナノまで、す
ごいスケーラビリティだよね。
 実際に浅間山のレントゲン写真を取った例から(マグマの状態が透けてみえ
る!)、新日鐵の溶鉱炉が動いている状態で、溶鉱炉の内部の壁や鉄の状態を
調べる例から、テロリストがトラックに兵器を積んでないか非破壊的に調べる
話から、スピントロニクスやら超伝導状態がどうのこうのとか、ガリウムヒ素
半導体の電子がどうのこうのとか、いろんなことがわかるんだって。
 で、思い出したのが、
[URL]
永妻君教授就任おめでとう、プラズモン、プラズモニクス、テラヘルツ
のこと。
 そこに書いたテラヘルツ波を使っていろいろ調べる話や、宇宙からも来てい
るものも使って調べたり(山のような巨大なものは、宇宙からのミュオンを使
う)といったところも似ているなと思った。
 テラヘルツ波よりミュオンのほうが何でも透過してくるから、すごそうだっ
たぞ。永妻、これ、研究しろ。\(^O^)/

 永嶺先生は、地震予知に使えないかといって、残りの人生はそういう研究も
したいとおっしゃっていた。何かといえば、地中にある活断層の状態をミュオ
ンを使って調べるという話。
 すごいね。活断層をそのまま生きている状態で観察だもん。
 活断層の踊り食いか。\(^O^)/

 驚きの連続だったけれど、脳を直接測定できるという話と核融合の話もすご
かった。
 NMR(核磁気共鳴)を利用したMRI(核磁気共鳴画像法)ってあるでしょ。

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