John Alderman(著), Mark Richards(写真), 鴨澤 眞夫(翻訳)「Core Memory―ヴィンテージコンピュータの美」
2008-02-22


ASAHIネット([URL]のjouwa/salonからホットコーナー([URL] )に転載したものから。
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 オライリージャパンから、今度、歴史的に貴重なコンピュータであるヴィン
テージコンピュータの写真集を出すんだけど、お金もないから、中村さんとこ
で宣伝してくれなどというメールがあって、献本されてきたんだけど、先週も
納品、今週も納品で、年度末だからあれこれ忙しいし、いつ紹介できるかわか
らんよという返事をした。
 昨夜、封を開けて本を広げてみたら、即、紹介!\(^O^)/
 美しい! 素晴らしい!
 その本は、
[URL]
John Alderman(著), Mark Richards(写真), 鴨澤 眞夫(翻訳)「Core Memory
―ヴィンテージコンピュータの美 (大型本)」
です。
[URL]
クイーンのブライアン・メイの宇宙本「BANG!」
も、よく3000円で出したなあと思いましたが、本書もフルカラーの大型本でこ
の写真のクォリティでよく3000円台で出しましたねえ。立派と思う。

 登場するコンピュータを列挙しておくと、
Z3, ENIAC, UNIVAC 1, Johnniac, コアメモリ
 あ、オライリージャパンに行ったら、目次があるじゃん。\(^O^)/
[URL]
Core Memoryの目次
をご覧ください。
 壮観でしょ。おれは、知らないコンピュータがいくつもあった。
 日本のコンピュータは、NECのNEAC 2203があるだけですね。ま、欧米中心だ
から仕方がないのか。

 冒頭のZ3は、訳者の鴨澤氏が、訳者あとがきで
「最初のデジタルコンピュータは実はENIACではなく、ドイツのZ3だった」
と書いていて、「嘘だろ。最初のデジタルコンピュータは、イギリスのコロッ
サス(Colossus)だろう」と突っ込もうと思ったけど、Z3のページをめくって写
真の説明を読むと納得。
 コロッサスは、「電子式」デジタルコンピュータ。Z3は「リレー式」デジタ
ルコンピュータ。よって、デジタルコンピュータとしてはZ3のほうが先。1941
年なんですね。
 コロッサスは、イギリス軍の機密で第2次世界大戦後もずっと秘密にされて
いたので、コロッサスを作った人たちの名誉回復が行なわれるまでは、ENIAC
が世界初の電子式デジタルコンピュータだったんです。

参考:
[URL]

 あと、何度か紹介している一般向けの暗号解説本としては現在ベストである
[URL]
サイモン・シン著, 青木薫訳「暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで」
文庫は、
[URL]
サイモン・シン著, 青木薫訳「暗号解読 上巻 (新潮文庫 シ 37-2)」
[URL]
サイモン・シン著, 青木薫訳「暗号解読 下巻 (新潮文庫 シ 37-3)」
でも、コロッサスのことは出てきます。ドイツの強力な暗号エニグマを解くた
めに。このエニグマ解読に至るストーリーはすごいです。ドイツにやられるポ
ーランドの技術者が、死に物狂いで初期のエニグマを解読するんですが、それ
からは。。。とかね。
 これと、
[URL]
石井茂著「量子暗号 絶対に盗聴されない暗号をつくる」
で紹介した
[URL]
石井茂著「量子暗号 絶対に盗聴されない暗号をつくる」
を読めば、暗号入門として十分すぎるくらいでしょう。


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