ASAHIネット(
[URL]のjouwa/salonからホットコーナー(
[URL] )に転載したものから。
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ベさんの
[URL]
の2006/04/18を以前読んで、書こうと思っていたことを突然思い出した。
[URL]
空間の謎・時間の謎―宇宙の始まりに迫る物理学と哲学 (新書)
内井 惣七
のことなんだけど、おれ、これ、紹介したと思ってたが、紹介してなかったの
ね。いま、jouwa/salonを探しても出てこない。
[URL]
吉井譲著「論争する宇宙―「アインシュタイン最大の失敗」が甦る」(集英社
新書)
は、#12555で紹介しているけど(ウェブだと2006/01/21ですね)。
先に、「論争する宇宙」のほうをまたちょっと書くと、これ、自説を証明す
るために望遠鏡を作る必要があって、まあ、ベンチャー経営者みたいに走り回
ってやっと作る話。物理学的には、アインシュタインの宇宙定数の話。できた
望遠鏡が、マグナム望遠鏡。雄姿は、
[URL]
マグナム望遠鏡
です。
これ読んで、天文学の距離の梯子の作り方ってすごいなと思いましたね。距
離の梯子とは、近くの正確に距離が測れるところから初めて、梯子をつなぐよ
うに、遠くの宇宙までの距離をどうやって正確に測れるようにするかという各
種手法のことです。執念が半端じゃない。経済学者は少し見習いなさい。\(^O^)/
あと、最後のほうで、ちょっとどうしてそうなるのかわからない記述があっ
たけど、時間がないし、本、探すの面倒だからいいや。^^;
さて、もう1つの「空間の謎 時間の謎」。
ベさんは、前半がて哲学的で面白くて、後半はイマイチというニュアンスで
すが、おれとは全く逆でしたね。
おれは、「世に名高い「ライプニッツ〜クラークの往復書簡」」すら知らな
いバカ状態で読んでいたんだけど、前半は、なんだかなあと思って読んでいた。
なぜかというと、こんなのは仏教哲学にはとっくの昔にわかってたことで、
なんだ西洋人はいまごろこんなこと言ってたのかと。\(^O^)/
だから、前半の最後で、「ライプニッツ恐るべし」なんて言われても、谷岡
ヤスジになって、「おどりゃー、何をいっちょんぞー。ライブニッツのモナド
なんぞ、仏教哲学じゃ、とっくの昔に仏の偏在性で証明されちょんじゃ、バカ
タヂー」な気分で、こういう本を書くなら、もっと東洋哲学も勉強してから書
いてほしいなどと思ってたんです。
でも、後半になると、科学(もっと正確にいうと数学と実験・観測)で明かし
ていくわけですよね。それまでの哲学が到達できなかった世界を。非常に面白
くて、最後は、「ライプニッツ恐るべし」になりました。\(^O^)/
哲学に関して、ぼくの頭の中の地図を大まかにいうと、東洋哲学を、自然言
語でさらに精密化・細分化して記述し直そうとした試みが西洋哲学、人類が現
在持っている最も美しくて精密で強力な言葉である数学で記述し直しているの
が物理学という感じです。
誰だっけな。日本の哲学者の人が、物理学より哲学が上だとかいってたけど、
21世紀の今となっては、数学ができない哲学者は信用できないし、数学もで
きず西洋哲学しか知らない哲学者はもっと信用できないというのが、ぼくの評
価ですね。\(^O^)/
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