悪用される科学とあるある大辞典などの嘘
2005-09-24


ASAHIネット([URL]のjouwa/salonからホットコーナー([URL] )に転載したものから。
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 早く書きたいと思っていて、遅くなってしまいましたが、日経サイエンス
2005年10月号「悪用される科学」は、科学的という名のものとに、いい加減な
情報、それも健康に関する情報がばらまかれている現状を紹介しています。
130ページにある「いびつな健康志向」も同趣旨です。特にトクホ(特定保健用
食品)のブームの危険性など指摘してあります。
 ビタミンEやベータカロテンなども、摂りすぎると死亡リスクが上がるんで
すね。あと、ガンが治るという奴ね。アガリクスとかシメマコブとか。科学的
なこといってるみたいでいて実は嘘ばっかり。
 「悪用される科学」から少し引用します。

化学物質や医薬品の危険性を科学的に解明することは難しい。企業がその不確
実性を盾に、自社の利益を損なう研究を否定し、行政による法規制を葬り去ろ
うとする動きがある。

米国産業界の一部では脅威となる研究を「ジャンクサイエンス(ニセ科学)だと
非難し、反対に業界が委託して行った研究を「健全な研究」として正当化する
ことが常套手段になっている」

 この傾向は、ブッシュ政権になってますますひどくなっているとのこと。す
ごいのが、データ品質法(DQA)という法律。名前からすると、データの品質を
よくする法律のように思えますが、企業にとって都合のいいデータがよい品質
のデータであって、都合の悪いデータを葬り去ることができる制度だそうです。
これにはさすがに科学者たちも怒って立ち上がったそうです。

 日本は、そこまでひどくないといわれていますが、アカデミックマーケティ
ングといって、大学教授を出したり、学会で発表したなどといって権威付けし
て売ってる例が出ています。
 でも、中身は非科学的なものが多いとのこと。
 ある飲料メーカーが海洋深層水に脂質代謝改善効果があるとニュースリリー
スを出したけど、比較したのはミネラルなどが一切ない脱イオン水。これじゃ、
意図的に作ったデータですね。
 こういうお粗末な研究でも、学会発表の口頭発表は通るんです。よほどのこ
とがないと学会発表は断らないもんね。いまも同じかもしれないけど、情報処
理学会の全国大会も、おれが大学生のときは、学生に学会発表の経験をさせる
ための場だったから、どうでもいい研究でも発表させてました。それと同じよ
うなもんなんでしょう。
 アカデミックマーケティングは4年くらい前から流行っているらしいです。
 ただし、実験を通じて得られたデータが効用と関係があるか、実験手法が妥
当かどうか、科学的にきちんと検証されているケースは皆無に等しいそうです。
大企業でも、根拠のない主張を繰り返す企業があるそうです。実名知りたいよ
なあ。
 あなたが記者で、新製品発表の場にいて、企業が、この分野の権威である何
々先生との共同研究で開発した技術などといったら、すかさず、「ペーパー
(論文)は出していますか?」と質問すべきとのこと。一定レベルの学術誌に論
文が掲載されたのなら、少なくとも専門家の査読は通っているから、信頼度は
上がるだろうと。

 いま、おれが注目しているのは、脳の活性化です。東北大学の川島隆太教授
はひっぱりだこ。週刊ダイヤモンドも2005年9月24日号で、「ライバルに差を
つける脳の鍛え方」なんて特集を組んでます。
 その中で、なんだこれと思ったのが、料理教室に3ヵ月通ったら、全員、脳
が活性化して、思考力、記憶力が上がったという奴。どういう実験か知らない
が、普段、よっぽど、ぼーっと暮らしていただけなんじゃないか。\(^O^)/
 このレベルなら、ウンコしてもおしっこしても、すっきりして脳が活性化し

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